司SIDE


「姉貴??」


何度呼びかけても返事がない。

今の体制を考えれば姉貴の顔は見れない。


「優輝と別れろよ」

「・・・」


無視か??


「ったく・・・」

「スースー・・・」


姉貴の規則正しい寝息がきこえた。


「寝てたのかよ・・・」


家に着き、姉貴をソファに寝かせれば

靴が履きっぱなしだったことを忘れていた。


「今回だけだからなっ」


姉貴の靴を脱がせ玄関の棚へ片付ける。

リビングへ戻り、姉貴をもう1度確認すれば

頬には涙のあとがしっかりと残っていて、

心が痛んだ。

姉貴を泣かせたんだ・・・

許せない。


「ふっ・・・」


姉貴が喋ったと思い

姉貴の方を見ると眠りながら涙を流していた。

優輝の夢でも見てんのか??


「わた・・・バカ・・・っ」


わたバカ?!

なんだそれ・・・