「司・・・お前には関係ないだろ?!」

「関係あるよ、俺のたった1人の姉貴。泣かせたら殺すって付き合い始めのときに言ったよね??」

「亜美が泣いたらの話だろ??まだ泣いて・・・」

「泣いてるよ、肩が震えてるからね」


涙が頬をつたう。

抑えられなかった。

悲しすぎて、虚しすぎて、

情けなくて。

司の声が聞こえて

安心して、涙腺が緩んでしまった。


「亜美っっ・・・」


もう駄目・・・

立て・・・ない・・・



ガクリと沈んだ体を支えてくれたのは

司だった。


「姉貴。帰るぞ」


司におんぶされ家に向かう。


「ごめん、ね・・・」

「謝ることじゃねぇよ」

「せっかくの楽しい日が台無しになっちゃったね、ごめんね・・・っ」

「泣くなら泣けよ、家に着いたら慰めてやんねぇーから」

「ごめんっ・・・」


司の背中で涙を流す。

優輝の匂いを消すかのように

あの日買ってあげた香水がわたしを包む。

ちゃんと・・・つけてくれてる・・・

その匂いを嗅いだ瞬間、

ひどく落ち着き、

涙が止まり、

眠りに落ちた。