「彼氏んとこ行かなくていいのか??」

「いいの。翔と居たいから」


行ったってどうせ前みたいに

追い出されるだろう。

分かってる。

司が入院してるのは

わたしのせい――――


「分かってる・・・全部わたしが悪いんだって・・・っ」

「亜美?」

「知ってた・・・苦しんでたことっ・・・」


わたしが縛り付けていたの?

司をあんな状態にするまで

縛り付けていたの・・・??


「亜美、」

「なによぉ・・・」

「今だけ・・・今だけは忘れよ??」


少し金髪の混じった髪の毛を

いじりながら翔が言った。


「んなこと毎日背負ってたら小さい小さい亜美ちゃんが潰れちゃいますよ?」

「小さい小さいって・・・そんなに小さい言わないでよぉっ!!」

「いつもの亜美だ!!!!」


わたしを指差して笑う彼。

彼の笑顔にわたしは

ドキンと高鳴った。


「あ、亜美。学校は?」

「お休みですっ♪」

「はぁ?いいのか??」

「うん、ずっと翔といるもんっ」


今はそうしていたいって思った。

ずっとずっと優しい時間が欲しかった。

誰かの優しさに触れたかった。