「それほんと??」
翔と名乗った彼が
驚く顔をする。
「ええ、全てほんと。だからさっき。ここに連れ込まれたとき、記憶が一瞬甦ったの。ごめんね?傷ついたでしょ??」
「嫌われたかと思ったよ。」
「ごめんね」
「いや、別に大丈夫だよ。話してくれてありがとう。辛かったでしょ?」
「全然。貴方になら話せそうだったからわたしが勝手に話しただけ・・・」
彼の言葉は優しくて
さっきの司を忘れそうになるほど
優しくて
瞳がわたしを捕らえて離さない。
「なんでだろう・・・翔といると心が落ち着く・・・」
なんだろう・・・
心がフワフワしちゃうような・・・
軽くなるような・・・
「亜美はずっと俺みたいな人。必要だったんじゃない??」
「え?!」
「なんて、冗談言ってみるとか・・・」
彼は頭をポリポリとかき、
誤魔化す。
その姿か可愛くて
つい微笑んでしまった。
「あ!笑ったな~っ」
「わたしには翔みたいな全てを包み込んでくれるような人が必要だったんだわ。きっと!!」
「亜美っ・・・・・・」
翔の頬は真っ赤になる。
「どうしたの?」
「いや!!なんでもない!!」


