遊SIDE


「最低だ・・・俺っ」


右手を見つめて

呟く。


「司に・・・司たちに罪なんて無いのに・・・」


何を言ったんだ?俺は。

分からない。覚えてない。

俺は・・・


「くっそぉっ・・・」


そこらへんにあった花瓶を手に取り、

構わず投げる。


『きゃぁっ』


他の入院者が俺を見る。

俺はさっきまで個室だった。

でも急患者が来たとか言って

4人部屋に押し込まれた。


「もう分かんねぇよ・・・」


誰かがナースコールを押したのか

看護婦が2、3人駆けつけて来た。


『どう・・・なさったんですか?!』

「関係、ねぇだろぉが・・・」


今までにこんな低い低い声を出しただろうか。

地面を這いずり回るような

低い声で看護婦に返事を返す。


『と・・・とにかく片付けましょう』


早く消えて欲しい。

もう誰も話しかけるな。

暴力しそうで、

手が出そうで。