「遊?ふざけんのも程ほどに・・・」


遊を見た瞬間。

胸が痛かった。

裂けそうなほど。


「嘘・・・だろ??」


遊は

右手を見つめて


「動けよ・・・なぁ。俺の指・・・動けよ」


右手を握ろうとしてるのか

指先が1、2mmしか動いていなかった。


「遊・・・」

「いつもみたいに・・・動けよ。ほら・・・」


動けよ。動けよ。

その言葉をひたすら繰り返す遊。

心が・・・痛い。


「動けよ・・・」

「・・・遊っ・・・」


俺は遊の右手を握って


「無理・・・すんなよ・・・」

「るせぇ・・・」


遊の目には涙が溜まっていた。


「なぁ、遊・・・」

「動け、動け!!」


俺には泣くしかできなかった。


「遊!!もう・・・やめろよ」