亜美SIDE


司に嘘をつき続けるのは

辛い。

分かってる。

みんなに迷惑をかけてること。

でも自分が汚くて、

司に触れられない。


わたしは廃墟ビルであったことを

姫香ちゃんと遊君にしか

話していない。

あの後、助けてくれたのは

遊君だったから。


わたしは優輝に

暴力もされた。

何より辛かったのは

わたしの“初めて”の

相手が優輝になったこと。

服を切られて、

いろんなところを

触られて、汚くなった

わたしの体。


司に

手を繋ごう

と言われても

繋げなかった。

優輝とのことを

何も知らない司と

触れるなんて

今のわたしには

できなかった。