「アメリカに行くの!?」


翌日、わたしは子供たちと話をした。


「まだ、決めたわけじゃないよ。ただ、今はまだばあばの遺産が残ってるからいいけど、お金はそのうちなくなってしまうから、いずれは働かなくちゃいけない。ママは何の資格も持ってないからどこかでパートの仕事をするしかない。ネットのお店もママ1人じゃ無理だし。人を使うような仕事、ママにはできない。だからね―――ルークの言った通り、ハリウッドを目指してみようかなって思ってるの―――」


あたしの話を、呆気に取られた様子で聞く子供たち。


瑠加は意味がわからずキョトンとした顔をしていたけれど―――


「―――あたしたちも一緒に行くの?」


紗菜の言葉にわたしは頷いた。


「もちろん!だからね・・・・もし行きたくないなら言って。あなたたちを無理やり連れていくようなことはしたくないから。もし嫌なら、ママもアメリカ行きは諦めて日本で仕事をするから」


その言葉に里菜と紗菜は顔を見合わせ―――


「わたしはいいよ」


あっさりとそう言ったのは紗菜だ。


「え―――ほんと?」


「うん。アメリカってずっと行ってみたかったし」


「じゃあ―――里菜は?」


「あたしは―――あたしも、ママが行きたいならついていくよ。向こうでは、学校にも行ける?」


「もちろん。学校にはちゃんと通わせてくれるって。言葉の問題とか、生活環境の違いとか―――最初は戸惑うことが多いと思うけど―――約束、する。あなたたちのことはママが必ず守るから―――」


その言葉に。


子供たちはゆっくりうなずいてくれたのだった・・・・・。