「―――え?」


千鶴さんが帰った後、わたしはすぐに倉庫に向かった。


そしてそこで作業をしていたタケル君にもう来ないでほしいと告げたのだ。


「なんで―――俺なら大丈夫だって」


「わたしが、もう耐えられないの。千鶴さんの気持ち考えたら・・・・もうこれ以上、タケル君に手伝ってもらうわけにはいかない」


「だから、あいつのことは俺が何とかするから―――」


タケル君の言葉に、わたしは首を振った。


「もうこれ以上、千鶴さんを悲しませたくないの。その罪悪感に、私自身が耐えられない。お願いだから・・・・・千鶴さんの傍にいてあげて」


タケル君の瞳が一瞬揺らぎ―――


その両手で、わたしの肩をつかんだ。


「優奈。もし俺が―――もし俺が、あいつと別れると言ったら?」


「え・・・?」


「俺は―――俺は、お前のことが―――」


「やめて!」


強い言葉でわたしは遮った。


「―――わたしにとって、タケル君は大切な友達なの。その気持ちを―――大事にしたいの。だから―――」


「優奈・・・」


「ごめんね・・・・今までありがとう・・・」