そこにいたのは、信次の姉、史子だった。


険しい顔をして、わたしを睨みつけていた。


「信次が死んだばっかりだっていうのに―――もう新しい男?」


「違います、彼は―――」


「あんたのせいで、信次は死んだのよ!」


その言葉に、わたしは声を発することができなかった。


「あんたが―――あんたのせいで信次は昼も夜も働いて―――だからこんな事故を起こしたのよ!」


「わたしは―――」


「あんたのせいよ!」


「史子!やめなさい!」


史子の後ろから、史子の腕を抑えたのは信次の母親だった。


「信次は事故で亡くなったのよ!優奈さんのせいじゃない。そんなことくらいわかってるでしょう!」


義母の言葉に史子は黙ったが、それでもその瞳は憎しみに燃え―――


「―――あんたなんか、一生許さない―――!」


そう言うと、くるりと向きを変え、足早に去っていったのだった・・・・・。