夏休みの勉強は『運命の出会い』


しばらくそうやってルーズリーフに色々と書き込んでいた。

「ポジショニングしてみせて、得意なんでしょう?恵美ちゃん」

「っお兄さん馬鹿にしてる!!」

本を読んだら得意になった気がしたけれど、実際こうして考えると難しい。

少しムッとして頬を膨らました。


「そうだ。お兄さんじゃなく、平井一輝。ひらいは普通で1に輝くのかずき」

「平井くん!!」

名前を教えてくれたのが嬉しくて、わたしはにやけながら名前を呼んだ。

と、何がおかしいのか平井くんが肩を揺らし笑い出した。


「平井くん?」
「恵美ちゃんって面白いなっ、ははは、ッハハ」

図書館では静かにしなきゃなんだから、周りに迷惑だよ。