夏休みの勉強は『運命の出会い』


不思議。二人用の勉強机にわたしとお兄さんが並んで座ってる。

これじゃドキドキするなって方が無理だよ。近いもん!


「まずは今ある美容院の種類を書いて、それから長所、短所、希望を挙げてみて」

ルーズリーフに文字を書くのは初めて。ノートしか使ったことないよ。

それだけでお兄さんは大人だって思っちゃう。


お兄さんは家庭教師みたいに接してくれる。わたしの夏休みの宿題を手伝ってくれてる。

お兄さんだって“卒論”忙しいんじゃないのかな…。

優しい人なんだろうな。

わたしがお兄さんなら本を選ばずに図書館の人を呼ぶし、こうやって自分にメリットのない宿題に付き合ってなんかやらない。

だからやっぱりお兄さんは優しい人だ。