夏休みの勉強は『運命の出会い』


「お兄さんっこの前は本ありがとう。あれから4冊読んだけど、他におすすめないの?」

〓馴れ馴れしくても中学生らしい無知さなら愛嬌に入るわ〓とママから教わった。


だからわたし、PC叩いてるお兄さんに近づいて話し掛けた。

お勉強の邪魔になるのを承知でね。


「ああ、えっと君は「恵美だよ!めぐみに美術の美のエミ!!」

あははと笑う。緊張よりもなんか楽しくて仕方ない。


「恵美ちゃんか」と、にっこり笑われて、(多分犬や猫に向けるのと同レベルだろうけど)嬉しかった。

クラスの男子には、“町田”とか“マッチ棒”とか“マーチ”とかしか呼ばれないから、

“恵美ちゃん”ってもうドッキドキだよ。鼻血出ちゃうよ。


「お兄さん今時間あったらまた本を選んで?」

嫌がられてはないようなので、お兄さんにお願いした。