夏休みの勉強は『運命の出会い』


パソコンを広げて、それから本を探しに行っちゃった。

どんな顔してるのかもっと近くで見たくて、わたしも席を立った。

(机にはママに言われた手乗りサイズの目覚まし時計を置いてるから大丈夫)


その人が立ってるのは難しいコーナーだ。

よく分からないけど、マーケティングとか顧客とかサービスとかって背表紙に書いてある。


パラパラめくって戻したり、迷わず脇に抱えたり、そうしてお兄さんが本を品定めするのを観察した。


手の骨の感じが同級生ともパパとも違う。ちょっと猫背になるみたい。


どうしよう!!すっごくすっごくドキドキしてる!!


気付いたらわたし、『お客様をリピーターにさせる社交辞令教えます』なんて本を手にしてた。