彼が帰って来たのはお日様が沈んだ頃だった

姉の変わり果てた姿を見た彼はどこかに電話していた


お願い

早く姉を助けて


こんな時でも言葉に出せない己が恨めしい


そんな時不意に「ゴメン」と聞こえた

彼が謝ってる

いつも笑顔で褒めてくれる彼が悲しそうに謝ってる


彼が私の視界から消えて下の方でカラカラと乾いた音がする

そしてまた「ゴメン」と謝る声が聞こえた


その瞬間に悟った

姉はもう助からないんだ、と