空き瓶ロマンス

 


彼は唇を離すと、


「どうでもよくなんかない……! 


どうでもよかったら、こんな気持ちになるわけないだろう……!」
 

怒鳴った。
 

私はびくりとなる。


しばらく、その声の余韻が狭い室内にびりびりと反響して、静寂が訪れるまで、呆けた。
 


静かになった途端、急に腰に力入らなくなって、なんだかずるずるとへたり込んでしまった。
 



彼は咄嗟に私を支えようとしたけど、私に立ち続ける意志が無いのを悟ると、一緒に床に座り込んだ。
 


助けの来ない、壊れたエレベーターの中。



お互いの吐く息が、ただただ白い。