空き瓶ロマンス




咄嗟に私は、信也さんの腕を振り解こうと――とても強い力だったため、結局は敵わなかったが――


離れて欲しくて、じたばたともがいた。
 

彼が動揺しているのが分かる。


だけど意地になっているようで、私を離すまいと更に力を込めたようだった。


「だって……!」


「……急に、お前はメールを返さなくなった。


電話も切った。


全部、突然だ! 


何かあったのかと心配で、修に相談しても、あいつは何も知らないし、倫子は何も変わってないと言う。


みちるだってそう言った! 


――なのに、何で俺にだけ……ッ……!」
 

私は、抵抗をやめた。
 

体の力を抜き、大人しく項垂れる。
 

哀しくて、たまらなかった。
 

彼の心が、分からない。