空き瓶ロマンス




「嘘なもんか。


……そういう、倫子はどうなんだ」
 

信也さんの声は、いつも通り低くて抑揚が無くて、怒っているみたいだった。


本当に怒っているのかもしれない。


「……私も……一人ですけど……でも、何で」


「今日は、約束をしていたから……」


「それだけですか?」


「一度も返信が来ないから分からなかったが、もしかしたら、倫子が来ているかもしれないと……!」


「?」
 

私が返答に困っていると、


「メールを見なかったのか?」


「はい」
 

冷たく答えると、彼はあからさまにムッとして、


「何でだ……! どうしてそんな態度とるんだ……」
 

耳元で大きな獣が唸るような、そんな怖さがあった。