空き瓶ロマンス

 


どろどろとした悪いものが、溜まっている。


重たくて苦しい。


引きずられてしまいそうなくらい。


最悪の結末しか思い浮かばない。


何もかもがどうでもいいような、けれども寂しくて、本当は助けて欲しくて、


だけどそれすら怖くて情けなくて、結局私は黙っている。
 


でも、そんなのまるで知らないみたいに遠慮なしに、信也さんは傍らに膝を突いたかと思うと、がばりと引き寄せてきた。
 

しかし、抱すくめられた腕の中で、妙に頭の中は冷静だった。


「……どうして今日、ここに来たんですか」
 

自然と、相手を咎めるような口調になっていた。


「誰と……」
 

私は、語気を強めて言った。


「誰と、ここに来たんですか……」


「……一人だ」


「嘘……!」