私は口から離した固い紙縒みたいな棒を、包み紙と一緒にポケットに収めて、看板を眺めた。
私が観ようと思っていた映画の上演時間まで、まだあと数十分あった。
とりあえずチケットを一枚買って、近くのお店を冷やかす事にした。
しかし、その途中で私はある横断幕に目を止めた。
第一別館のホールで、絵画展をやっているらしい。
(そういえばカトレアって、たまにこういうのやるんだよな……)
みちるなんかは、結構そういうのが好きらしく、案外どこからか情報を掴んできては、
こういった特設展示場に足を運んでいると言っていた。
彼は考古学だけでなく、美術品にも興味があるらしい。
私も、何か面白い事があるかもしれないと――ほんの気まぐれで、絵画展に行ってみることにした。



