空き瓶ロマンス




(小さい頃に遊んでいた時、ちっとも危ないなんて思わなかったけど……)



それとも、身の回りから危ないものを全部排除していけば、人間は安全に暮らせるんだろうか。


私は、鞄から飴を出した。


さっき、バス停に向う途中にコンビニで買ったものだ。


棒付きの飴なんて久し振りに買った。


舐めながら、歩く。


周囲に威嚇するように。


「私に構わないでね」というオーラを放ちながら。


……考え事をしたいけど気を紛らわしたいって時にだけ、私はこの飴を舐める。


時間稼ぎにだってなるのだ。


せめて飴が終わるまでは、こうしていようと……。


(馬鹿みたい……それで解決した試しなんて無いくせに……)


しばらくして、私は歯を立てて飴をガリリと噛み砕いた。


衝撃が、頭蓋骨にまで響く。


まだ、サイズに無理があったみたいだ。


……顎が一気にくたびれた。


でも、いい。