空き瓶ロマンス




信也さんとは、クリスマスの約束を取り付けただけで、実際に何時にどこへ集合とか、そういう話はまだしていなかった。


……というか、多分そういったメールを、全部開かなかった。


もはや、携帯電話自体を開くのが怖い。


携帯電話はポケットの中で、ずしりと異様に重い。
 

ふと、駐車場を挟んだ道の向こう側に、古びた公園を見付けた。


昔、カトレアに来た時に何度か、あの公園で遊んだのを思い出す。


……が、ペンキの剥げかけた遊具が、暗くなるに連れ、より一層凄みを増していた。


普段、明るい場所でしか見ないものを暗い場所で見ると、結構怖い。


学校絡みの怪談が、無くならないわけだ。


だけど、自分がここで遊んでいた時に比べて、随分遊具が減ったと思う。


少し前に、あらゆる公園から、『危ない』と判断された遊具が次々と撤去されているというのは耳にしていたが、改めて寂しいものだと思った。