空き瓶ロマンス




私は手を挙げた。


他にも何人か後輩が、挙げ辛そうに、そーっと手を挙げる。
 

チャーキーが、一番近くにいた私に、まず訊いた。


「日中は大丈夫?」


「あ、私……バイト辞めたから、いつでも大丈夫」


「辞めたぁ?」


「辞めたっていうか、お休みにしたの……無期限で」
 

どよめきが走った。


「そんなの許されんの?」


「ほんとは辞めるって言ったんだけど、オーナーから辞めないでって言われて、妥協案なんだ」


「うわ~、はとりん、愛されてるんだね~!」
 

言われて、どきりとした。
 

愛という言葉に、厭になるくらい敏感になっている。


「でも、どうして急にバイト辞めようと思ったの?」


「えっと……だって……ほら、もうすぐ三年生の引退公演もあるし、


いい加減、色んなもの掛け持ちしてるのも疲れちゃってさ。


それに、来年は私も受験生なわけだし」