空き瓶ロマンス

 


下級生がひいてしまうのも無理はない。
 

何せ演劇部の部室とは……一言で表すと、汚い。


過去の劇で使った小道具や衣装、その他関連グッズが『また使うかもしれないから』という理由で、とにかくとにかく堆積しているのである。


そして、この学校は歴史が長い。


しかも、演劇部も大昔から存在していたようで、


私達が生まれるよりもっと前にとられた賞状が、壁の上の方で何枚も真っ茶色になっている。


その横で、県大会や全国大会に出場した際に、記念で買ったらしいご当地タペストリーも、ぐるりとびろびろの円を描いていた。


……それを見るに、昔はうちの学校もかなりレベルが高かったようだ。


……過去の先輩方には申し訳ないことに、今では私達は、毎度ギリギリ県大会にいけるかどうか、という成績である……。


それがすべての原因とは言わないが、脚本の選択や演技がどんなに良くても、結局審査員はより良い装置を使った高校を選んでいく。


だけど、そりゃ大道具をベンチ一つで済ませてしまうような私達が、お金や技術をたくさんつぎ込んで、


プロ顔負けの大道具や小道具を駆使して、リビングだの南国の森の中だのを製作して、


全国に向けて挑んで来る私立高校には、叶いっこないよね、と思ってしまう。