空き瓶ロマンス

 


でも、みちるはまるで水でも飲むように、涼しい顔でごくごく飲んでる。


「……まあ、僕も嫌いじゃないからね」
 

みちるはむしろ、ふふんと誇らしげに笑った。


「ふうん」
 

みちるは、線が細い。


顎のラインはシュッとしているし、間違ってもお腹なんか出てない。


私は、半ばやけ食いくらいの覚悟で甘いものを買ったのだけど、みちるはそんな事を全然気にしないでも良さそうだ。


性差や代謝の違いだろうか。


……うう、双子なのにぃ。
 

私はべたべたに甘いクレープを完食し、ふらふらと歩きながら、本題に移る事にした。


「予算って、どのくらい?」


「んーと、相場が分からないんだけど……一応、それなりの金額持ってきたよ」
 

私はあまり浪費をしないので、結構な額を貯め込んでいる。


(箪笥貯金だけど)