厨房の中とはいえ、大勢の前で怒られたのだ。
それまで談笑していたシェフ達も手を止め、こちらを注視していた。
厨房の中が、しいんと嫌に静まる。
本当に私が悪いことをしたかどうかは別として、大いに凹んだ。
友香さんはふん、良い気味とでも言わんばかりに鼻を鳴らし、扉を閉めて隣接している別館に行ってしまった。
それからしばらくして、釈然としないまま、私はメインの大皿を拭きつつ、大川さんに尋ねた。
「……私、さっき友香さんが言った事、全部やったと思うんです。
でも、床が汚れてたのも、誰かが溢した水とかが残ってたとか、
私のミスかもしれないし……はは、今日、疲れてるみたいです」



