空き瓶ロマンス

 


修は、口からばたばたとチューハイを溢しながら、固まっていた。

こいつ、汚いっ!


「電話番号は、二種類入れられるだろう? 

一番上に、実家の番号、二番目に携帯って登録してあるケースは、多いと思うんだが……」


 
慌ててティッシュを渡しつつ言うと、修は即座にポケットから携帯電話を取り出し、確認した。


「ほ、本当だ……! 

番号、もう一個ある……!」


「履歴見てみろ。

それ、市外局番まで入ってるんじゃないか?」
 

ほどなくして、修は「入ってました……」と、テーブルに崩れ落ちた。


「うっうっう……よかった……よかった……!」


「……おっちょこちょい」


「友達に相談しなくてよかった……!」


「危うく、大恥をかくところだったな」


「ええ、本当に……」