「だって、もしそれでうまくいけば、
宗太兄さんはいつか倫子を家に連れてくるかもしれない。
もっとうまくいったら、結婚だってするかもしれない……。
そうしたら、僕らはまた『家族』になれる。
……形はおかしくても、親戚として、また血で結ばれる……」
それが、みちるの出した答えだった。
「どう、めちゃくちゃな妄想でしょ?
正直、言ってて恥ずかしくなってきた……あの時、結局宗太兄さんが、
『人の弱みに付け入るような事はしたくない』
ってきっぱり言ってくれて、助かったよ……だって、変でしょ……?
どう考えても、無理でしょ。
でも本気だったって言ったら、笑う……?」



