「聞かされてなかった?
……まあ、それもそうかな。
母も『多分あの人は伝えてないだろうけど』って言ってたし。
だけどね、僕と倫子は……正真正銘、十七年前の同じ日に生まれた子供なんだよ。
……戸籍上は、違う事になってるけどね」
みちるは、皮肉に笑った。
だけど、私達は状況がうまく飲み込めていない。
「ちょっと待って、どういう事、私が双子って……」
「だから、話は簡単だよ。
母は出て行く時、まだ乳飲み子だった君を置いて、
同じく乳飲み子だった僕を連れて行った。
……だけど母は、すぐに今の父と再婚したかった。
……勝手な事に、母はなるべく早く斎藤として、生き直すつもりだったんだ。
出産直後だった為に法律上、それも可能だった。
だから、僕の……」



