「でも……似てるはずだったよ。僕達は、姉弟だったんだから」
あの時、私は兄の仕掛けたアナウンスにより、名前がばれた。
彼は「君なの?」と驚いた声を上げたが、それは多分二つの意味だったのだろう。
『高校生なのに名前を呼ばれたの?』という意味と、
『鳩羽倫子は君なの?』という意味……。
「僕は、君の名前を知っていた。
母がずっと前……言ってたんだ。
僕には、他に兄姉がいるって。
『前の家』に……僕のもう一人の兄と、『双子の姉』が……」
「――双子?」
私と兄は、揃って声を上げた。
斎藤君も、驚いている。
知らなかったようだ。
みちるは続けた。



