そして、ここから先は、とても厄介な話だった。
私と、みちるが巻き込まれた、とてつもなく大きな事件にして、母の罪。
それは、みちる自身の口から語られた。
「はじめまして……と言うのも、ちょっと違うかな」
落ち着き払った、制服の少年。
彼と私は過去に一度だけ、U市の恐竜展で偶然会った。
あの時彼は、一人であそこにいたという。
そして私も、単独行動をとっていた。
自分と同じように一人でいた、同い年くらいの私を見て、それだけの理由で彼は気軽に私に声をかけた。
「君がこっち向いて、びっくりしたよ。
……母さんに、似てたから」
みちるは、ちょっと照れたように言った。
私としては、少し複雑な心境だった。



