何で、ここにいるんだろう。 部員達の、狂喜じみた歓声が体育館中に響いても、 それどころじゃない、と思ってしまった。 それでも、じたばたと暴れる猫を、何とかグミに渡す。 気が抜けて、腕ががくがくに震えた。 「倫子、ありがとう……本当に、ありがとうっ……」 グミが、泣きじゃくりながら、猫を抱き締めた。 その姿を見ただけで、やっぱり体を張ってよかったと思えた。