「………んっ」 衝撃はあったけれど、予想に反して、 あまり体は痛くなかった。 ……というより、どこも痛くない。 何故なら私を迎えていたのは、固いフローリングではなく、 がっしりとした腕だったからだ。 目を開けた時、心臓が止まるかと思った。 「し、信也……さん……?」 「倫子……?」 お互いに思考が何秒か止まった。