しかし、無駄だった。猫は来ない。 というより、腰を抜かしているようにも見えた。 私に警戒はしているが、一歩も動けないでいるのだ。 (仕方ない……) 私は、猫じゃらしを屋根裏に投げて、少し前に進んだ。 もう今は、色々な事を教えてくれた先輩達はいなくなってしまったけど、 ここは何も変わらず、 ――照明の足場はぐらぐらと揺れて、とても怖かった。