空き瓶ロマンス




「鳥辺野せんせえ~……バット重いから持って」

「ジャグ持って」

「ていうか鞄持って~」

信也は女子高生に囲まれ、甘えられていた。

「……そのくらい自分で持て。

それくらいの筋力はあるだろう」
 
信也がうんざりしたように言うと、彼女達はけらけらと笑った。

「無理~!だって私達箸より重いもの持った事ないもん」

「へえ、お前らの使ってる箸は、

十何キロもあるのか」
 
信也がひょいと逃げると、

彼女達はまた騒がしく笑った。