空き瓶ロマンス

 


信也は少し、憂鬱だった。
 
せっかくの休みが、部活の遠征で潰れたからだ。
 
本来、顧問ではないソフトボール部の練習試合に、

何故信也が来なければならなかったか。

それは、数日前の同僚の頼みからだった。

「鳥辺野先生、今週の土曜日の予定、空いてますか?」

「どうしたんです、瀬尾先生」

「ちょっとお願いがあるんですけど……

うちの部員達、引率して貰えませんかねえ?

俺、うちのこれがこれであれなもんで……」