「近っ!てか、徒歩で行ける距離だよ……」 「そこがどうかしたのか?」 父が、怪訝そうに言った。 「うん……ほら、この間図書館で助けてくれた人いたでしょ? あの人に、上着返そうと思って……」 「ああ、鳥辺野さんと言ったっけか」 「うん……そう」 ついこの前まで、自分でもそう呼んでいたのに、妙に恥ずかしくなってくる。