空き瓶ロマンス




「話って何だ」


信也から切り出すと、ふらふらと余所見をしていた、


みちるはのほほんと振り返り、



「……いや?空が、綺麗だなと思って……」



冬になりかけて穏やかになった、まろやかな日光を全身で噛み締めるように、


みちるは言った。



「……それだけか?」


「いけませんか?」



「駄目に決まっているだろう。俺だって忙しいんだ」