空き瓶ロマンス

しかし、

「まだシルバーあるの?」


大量にシルバーの入ったラックを運んで来た、
斎藤君を見た恵子さんが、ナイフレストを拭きながら、
うんざりしたように言った。


「あと二回分くらいありますよ…
…今日は客数多かったから」




斎藤君は、ぷるぷる震える腕でラックを抱えて、
やっと喋った。