空き瓶ロマンス

(酔っ払いの冗談……だよね)


彼は、まっすぐに私を見据えた。


表情は、さっきより『睨んでる度』は低いものの、堅い。


しかも、いかにも酔っ払ってます、
というような赤みも一切無い。




そして何より、さっきまで彼をからかっていた青年が、
完全に固まっていた。




いや、よく見ると、彼だけでなく卓に着いていた全員が。