ナイフを突き付けられて、震えて泣いているのは倫子だった。 「――貴様!そこで何をしている!」 思わず叫ぶと、男の方は目に見えて動揺した。 辺りを、きょろきょろと見回している。 信也は、通路を回るのも億劫で、怒りに任せて本棚をよじ登り、 男の脳天目がけて飛び降りた。