体が、縛り付けられたように、動かなくなった。 今まで走っていたからなのか、 耳元に犬のように荒い息使いが聞こえてきて、鳥肌が立った。 「動くなよ、動いたら刺すぞ!」 男は後ろから抱き付いた形で、私の目の前に剥き出しのナイフを掲げた。 (やだ、誰かっ……!)