そこへ、兄が『通せんぼ』をした。 「おおっとお、先生は俺とこっちね!」 「いや、でも万が一彼女が迷子になったら……」 「大丈夫大丈夫、あいつは誰と一緒だろうが、 いつも必ず迷子になるから」 そんな会話が聞こえたのを最後に、 私は意識を少し遮断して、神経を目の前の展示物に向けた。