「あの、どうされました?」 そこに、恵子さんが割って入って来てくれた。 一部始終を見ていたわけではないようだったが、 どうやらトラブルになったように見えたらしかった。 そうなると、彼はやっと私から目を逸らし、 「いや、何でもない……」 と、庭に出て受付付近まで歩いて行ってしまった。