言い返せず、ぐっと言葉を飲み込む。
確かに妹の真白は、可愛らしいと言うよりは美青年と言うに相応しい容貌だ。
二卵性双生児の俺たちは昔からよく性別を間違われてきたし、それは今でも変わらない。
父親似の真白は、男の俺から見ても格好良いと思う。
兄より男前の妹ってどうよ??
兄よりモテるってどうよ??
あぁ、確かに男前度では俺の完敗さ!
けど、男に見えても真白は女だし、女顔でも俺が男だってことにかわりがあるわけ無いじゃんか。
「見た目がどおであれ、俺はお前の兄ちゃんだし、お前は妹だろ?」
「兄じゃなくて、姉かもしれないからこうして確認しに来たんだけど」
「お前ねぇ、兄て言葉は男性を指す名詞よ!兄は突然姉にはならないだろ!」
「なるよ。今結構流行ってんじゃん、そういうの」
「流行ってないから!確かに多いけど。その間違った認識直しなさい!つか、俺、手術受けた記憶もねぇし、姉になる予定なんて無いっての」
もぉ何なのと、呟いて溜め息をついていると、真白が少し何やら考えて腕組みをした。
「じゃあ、ユキは私が女に見える?」
「あのね、見える見えないの問題じゃないのさ。お前は妹だろ。小さい頃一緒に風呂に入ってんだから、女だって知ってんに決まってんじゃん。それともなにか?10年以上前につるんとしてた所に、今は何かぶら下がってるとでも言うのか?」
んな事あるわけないじゃん。
と、呆れを通り越して鼻で笑いながらそう言ってやると、真白は小さく溜め息をついた。
「だよね。ありえないよね普通は」