「あー、いたっ!」 そんな声が聞こえて、あたしは現実に戻る。 「…杏里?」 なぜか杏里が立ってて、あたしは首を傾げる。 「何で戻ってこないのよ?もう、遅くて迎えに来ちゃった。帰ろ?」 「…うん。」 …どうやら、あれから時間が結構経ってるみたい。 オレンジ色だったはずの空が、濃い青へと色を変え始めていた。 杏里の後に続いて、あたしも屋上を出た。