「それで、聞いたの!?」 あたしに顔をぐいっと近付けて聞いてくる。 「……ううん。色々あって、あたしを助けてくれて…」 「助けて…?」 不思議そうに言葉を漏らした杏里に、あたしは昨日の事を話した。 宮地葵を見つけて後を追ったこと。 迷子になってしまったこと。 暗闇にひとりぼっちで怖かったこと。 男達に連れ去られそうになって必死で逃げたこと。