「!!」 気付けばあたしは、宮地葵を後ろから抱きしめていた。 宮地葵が、あまりにも悲しい瞳をするから……。 そんな瞳、あたしは見たくない。 柔らかい髪が、あたしの腕を擽る。 いい匂いがあたしを包む。 「……大丈夫だよ。」 大丈夫。 何度もそう呟いて、宮地葵を強く抱きしめる。 宮地葵は、何も言わずに黙っていた。