「それは、ちょっとあたしが失敗しちゃって…。気にすんな、って言われただけだよ。」 そう。科学の実験してた時に、あたしのせいで失敗したんだ。 それで落ち込んでたら、そう黒川に言われただけで…。 言われてみれば、頭を撫でられたような…。 「…ふーん。」 それがどうしたの?何を疑ってるの? あたしの言った事、信用出来ない…? もしそうだとしたら、…すごく悲しい。 葵をじっと見つめていると、葵が突然歩くのを止めた。 あたしも立ち止まる。 その瞬間、あったかい温もりに包まれた。