あまり緊張してなかったはずなのに…、今はあり得ないくらいのスピードで心臓が動いている。 「座ってくださる?」 「あ、はい…」 あたしはそう言って、ソファに静かに座った。 「あなたも忙しいのに、ごめんなさいね?」 申し訳なさそうに言う宮地葵のお母さんに、慌てて横に首を振る。 「どうしても話がしたくて。」 そうだ…… 何か、“話”があるんだ。 …でも、何だろ?